日本は転職や再就職しにくい?いいえ、最近の求人や賃金に朗報!
「転職のしやすい社会になってきている」
「採用もされやすくなってきている」
そういった話題をよく目にする昨今ですが、人によっては昔から何も変わらないと感じたり、求人が増えているだけで、転職が簡単になったわけでないと感じたり、疑いの目で見ることも少ないとおもいます。
実際のところ、求職者は減少傾向にあり、求人が増え続けているので、転職は以前と比べてとてもしやすくなっているのですが、そうはいっても中々信じにくいところもあります。
ということで、ここからは、転職を取り巻く社会の状況を見てきます。
有効求人倍率は上昇し続けている。
まず、厚生労働省による一般職業紹介状況について見てみます。
一般職業紹介状況(平成29年4月分)について |報道発表資料|厚生労働省
このデータを見ると一目瞭然なのですが、有効求人倍率は右肩上がりで増加しており、今ではバブル期を彷彿とさせるほど高い数値になっています。
最も高い値では、福井県の2.06倍、最も低い値でも北海道の1.13倍と、単純計算で求職者一人に対して一件の求人がある状態になっています。
求人も増え続けていて、現在求職者180万人程度に対して、240万件以上の求人が出ている状態になっています。
今までだと、東京都など都市部だけに求人の増加が見られるといった話は多かったのですが、現在は地域を問わず、どの地域でも求人が溢れている状態になっています。
この意味で、転職のしやすさは格段に良くなっていると言えます。
この原因としては、生産年齢人口の減少があげられていて、とくに日本は今後も減少が止まらないことがささやかれています。
2030年には、今よりも79万人程度の労働人口が減るとみられていて、そのため現在の有効求人倍率の増加は、一時的なものではなく、今後ますます伸びていくとみられています。
この一方で、求人がいくら増えたところで、条件の悪い求人が増えているので、そもそも転職する意義がないという話もあります。
しかし、これについては、早とちりや先入観という面もあります。
求人だけでなく賃金も上昇している
いくら求人が増えても低賃金の求人が増えていては、転職環境は良くなったと言えないという考え方もありますが、厚生労働省・みずほ総合研究所の調査によると、中小企業では賃金も実は伸びています。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/jp170117.pdf
こういった調査は、大企業や中小企業が一緒くたにされるものなので、とくに元々の人件費が高い大企業は上げ幅を大きくできないため、その影響もあって中々分かりにくいところもあるのですが、とくに中年層であるミドル層については、実際に求人を仲介しているエージェントが賃金の高まりを感じているという調査もあります。
これによれば、50万円~100万円程度の上昇は少なくないということで、転職を強く意識する中年層にあっては、非常に転職環境が改善していることが分かります。
また、日本では現在ベンチャー企業に対する支援も増えており、人材の不足しがちなベンチャー企業による採用はとても精力的になっています。
ベンチャー企業は、将来的に上場等をした場合、社員が大きな恩恵を受けることも少なくなく、また、働き方改革などにも熱心なところが珍しくありません。
即戦力として大きな仕事を任せられることも多く、日々の仕事にやりがいやそれに見合った報酬を求める人にとって注目を浴びています。
まとめ
厚生労働省などのデータから見える通り、転職環境は確実に以前とは比較にならないほど改善しています。
もちろん、今の職場に一切の不満がなければ転職は考えなくても良いものですが、転職によって得られる恩恵は想像するよりも大きなことが珍しくありません。
転職を考える人にとっては、今は転職をするにあたってとても良い状況にあることを知っておいても良いでしょう。